PS5のスペックをフルに活かしたSIEの新規IP Returnal が発売されました。本作はPS5専用で爆速ロード、DualSenseのハプティックフィードバックとアダプティブトリガー、3Dオーディオなど次世代ハードの新機能をフルに活かしたゲームとして、かなり期待している方も多いかと思います。
今回はゲームの簡単な紹介と、冒頭3時間をプレイした感想についてご紹介いたします。
Returnal はどんなゲーム??
Returnalがどのようなゲームかについてご紹介します。公式サイトはこちら。
ストーリー
主人公が調査しようとした惑星に宇宙船が墜落して、惑星を探索していくという導入はどこにでもあるような入りになっています。
主人公は墜落した惑星でなぜか自分の死体に遭遇します。混乱する中、謎を解き明かすために惑星を探索するのですが、探索中に死んでしまうとなぜか、宇宙船が墜落するところに戻されてしまうという奇妙な体験をすることになります。
果たして主人公は謎を解き明かすことができるのか?というストーリーになっています。
ちなみに、主人公はこの女性です。
最近はゲーム、特に洋ゲーはポリコレに配慮して特段美人でもなくどこにでもいそうな普通の人がキャストされることが多く、本作もそれに漏れずといったところでしょうか。女性の宇宙研究員というのもポリコレ感が高いです。
ゲームジャンル
ゲームジャンルはアクションシューティング新感覚ローグライクTPS。
ローグライクとは風来の試練やトルネコの大冒険のようなダンジョンに入る度にマップやアイテムが変化するゲームジャンルです。
TPSは三人称視点のゲームを意味しますので、3Dマップで毎回変わるマップを舞台としたアクションシューティングといったところでしょうか。
下のようなマップが毎回死ぬ度に新しく生成され、毎回新鮮な気持ちで楽しむことができます。
シューティング要素強め
こちらの弾幕を見てもらえればわかるようにシューティング要素がかなり強いです。
そこら辺にいる雑魚も容赦ない数の弾をかなりの速度で放ってきます。主人公はダッシュとジャンプと緊急回避のでよけながら敵を銃で撃って倒していきます。
魂斗羅や沙羅曼蛇など古き良きシューティングゲームをどこか感じることができます。
きつめのローグライク
ローグライクの特徴として、一度死んでしまうとスタート地点に戻され、アイテムは失い、レベルは最初からというのがあります。
ゲームによっては一部アイテムを持ち帰れたり、装備を保護できる場合もあるものもありますが、Returnalはその辺がシビアです。
持ち帰られるのは最小限のキーアイテム、エリクサーと呼ばれる資源(死んでもなくならないお金みたいなもの)、惑星探索の進捗くらいです。
以下のような死んでも生き返ることができる仕組みも準備されています。ただ、始めたばかりでエーテルコスト6を集めるのはなかなか運がよくないと難しいでしょう。
現代によく発売したなと感心するほどの高難易度
冒頭3時間プレイした感想は「かなり難しい」ということです。デモンズソウルやSEKIROなどいわゆる死にゲーと呼ばれるものがありますが、それらは死んだ後でも頑張って手に入れた装備を失うことはありません。
一方Returnalはほぼ全てを失います。何度コントローラを置いて、もう二度とやるもんか!と思ったかわかりません。
これから難しいと感じた点をご紹介するのですが、これら難しい点に上で説明したローグライクのシステムが合わさることで、圧倒的に心をへし折る難易度に跳ね上がることになります。
強い敵と色々な所見殺しが難しい
気を抜くと一瞬で殺されます。攻撃パターンや攻略ギミックを理解していないと所見殺しされることも多いです。
たとえばこちらの目玉。下のようにひっそりとライトを照らしているて何もしてこないのですが、ライトに当たると突然レーザーを放ってきます。
初めての時は普通に探索していると突然こいつに撃たれて意味も分からないまま瞬殺されました。思わず「はぁ?」と言ってしまいました。
たまに体力回復できるベッドがある部屋がるのですが、寝て起きると突如敵が襲い掛かってくることがあります。このゲームに安地はないかと絶望しました。
よくわからないアイテムが難しい
簡単なチュートリアルはちょくちょくあるのですが、そのアイテムがどのような効能があるのか今いちわかりにくいです。
そしてアイテムには悪性因子に汚染されたアイテムというドラクエでいうところの呪われたアイテムも落ちています。入手すると様々な悪影響を及ぼし続ける状態となり、初心者には致命的な状況となります。
まず最初は悪性因子に汚染されたアイテムを拾わずに進めることが、長生きする鍵になります。
武器となる銃も複数種類あるのですが、一度にもてるのは一種類で、付加効果も何が起こるのか説明だけではよくわかりません。とりあえずレベルの高いものと、お気に入りのものを天秤にかけて選ぶようにしています。
紫のオーラに包まれた怪しい宝箱、悪性コンテナというのもあります。
貴重なアイテムが入っているがデメリットも発生する宝箱で、エーテルを使えば解除できるのですが、開けても冒険に役に立つものが出てきた記憶はありません。
最初は期待して開けていたのですが、開けない方が長生きできることに気づき、初心者向けの宝ではないと思いました。
ジャンプ・回避アクションの加減が難しい
よくあるアクションRPGでも回避のためのローリングやジャンプはあるかと思います。
本作のジャンプアクションはボタンを押す長さによって飛ぶ高さが異なります。また、一度ジャンプしてしまうと、方向を空中で調整することがほぼできないので、飛びすぎの際に逆方向に戻ることがほとんどできません。なので、慣れないうちは飛びすぎて崖から落ちることが多いです。
回避アクションは背中のバックパックを使って高速移動するもので、ジャンプ中でも地上でもどちらでも使用することができます。
これも押す時間により移動する距離が変わるので、距離の調整を絶妙に求められます。弾幕を回避する際もうまく距離を調整できないと思わず被弾してしまいます。また、クールダウンも必要で、連続回避はできない仕様となっています。
画面が暗くて難しい
ゲームが進むと昼のように明るいステージもありますが、最初は常に夜のように暗いです。なので、崖なのか下に陸地があるのかよくわかりません。
激しい戦になってくると、マップを見る余裕もなくなってきて、落下した先に地面がなくて絶望することが多々あります。ただ、即死という訳ではなく、体力を減らされて近くの崖からリスポーンとなります。
ただ、どこか懐かしさを感じることのできるゲーム
とにかくすぐ死に、全てを失い最初に戻される。これを二時間も繰り返させられると心が折れ、これはクソゲー、二度とやらない、窓から捨てようと思う、しかし、その10分後にはまたコントローラを手に取りゲームを始めてしまう、まさにReturnalな謎の中毒性があります。
そういった中で何かに気づかされるのです。昔、ファミコンでセーブもパスワードもない高難度のクソゲーをやられてもやられても繰り返し遊んでいたことを。
子供のころ、許された時間の中で進めたセーブ機能のないマリオ3を電源そのままにファミコン本体ごと棚にゆっくりしまって、次の日慎重に取り出してクリアを目指す、そんな思い出をよみがえらせてくれる貴重なゲームだと気づかされました。
また、最近のゲームはクリアありきのゲームであることにも気づかされます。
Returnalの世界に放り込まれた主人公が味わう絶望感はバンゲリングベイを与えられた小学生の絶望感に等しいほどです。高難度すぎてエンディングを迎えられないゲームがあってもいいじゃない、そういう尖ったゲームです。
時間が無駄になるという意見もありますが、「そもそもゲームって時間を無駄に浪費するためのものだろ」という信念もReturnalから感じ取れます。
妥協のないグラフィック、次世代の3Dサウンド、デュアルセンスの巧みなギミックを味わいながら、80年代のクラシックな一面も感じ取れる究極の死にゲーは他にない魅力を持っていると思います。
早期のワゴン行やPSPlusのフリプ行も決して恐れず、パブリッシャーが他に振り回されることなく、作りたいゲームを突き詰めた、まさに武士のような作品だと思います。
レビューサイトでの評価は
海外レビューサイトmetacriticの評価
2021年5月現在、metacriticのスコアはメタスコア84点、ユーザースコア7.3点でユーザースコアが少し低めでしょうか。良い評価と悪い評価をいくつか抜粋して紹介します。
好評かと低評価が二極化しています。9点、10点を付ける人と1点、2点を付ける人と極端です。
悪い評価はそもそも高難易度なローグライクが辛いという評価とPS5がクラッシュしてしまので、セーブがないのが辛いというものです。私はクラッシュには出くわしていませんが、ローグライクでクラッシュとかやる気をなくしますね。
ただ、どちらの評価もグラフィック、サウンド、コントローラ、ゲーム性、ロード時間は素晴らしいということが書かれていました。あまり尖ったゲームではなく、万人受けするゲームにしておけば、もう少しユーザースコアは上がっていたのではないかと思われます。
日本での評価
日本での評価もmetacritic同様、二極化しています。
内容は「難しい」と同じことを書いてあるのですが、低評価も高評価に分かれているのが面白いです。進行不能バグやセーブデータ破壊などもあるのは致命的なので、早急に対応していただきたいところです。
改善してほしい点
アイテムの説明が見にくい、邪魔
敵が武器をドロップすると、赤いアイコンが地面に落ちるのですが、そのアイコンを踏むたびに武器の説明が画面のど真ん中に表示されます。
敵との死闘を繰り広げている最中に思わず踏んでしまった場合、武器の説明のせいで弾が見えず被弾することがあり、非常に腹立たしいです。
また、悪性因子に侵されたアイテムの説明をよく読みたいのですが、定期的に敵の攻撃がくるようなマップでは満足に読む時間を与えられず、スクリーンショットなどをうまいこと利用する必要があります。
せめてアイテムの説明が戦闘の邪魔にならないように配慮いただきたいです。
クラッシュ、進行不能バグの改善
私は遭遇したことがないのですが、これらのバグは致命的です。ゲームの世界観とプレイヤーの士気を一気に崩してしまう悪性因子になります。
安心して楽しめるよう、こういうたぐいのバグは全力で修正していただきたいです。
なお、全員が全員クラッシュしているとレビュースコアももう少し低くなると思うので、PS5の個体に依存した要因で起きているのかもしれませんね。
チュートリアルの拡充
ゲームを進めていると、これはどういう意味の単語だったかな?とか、これはどうやったら開けられるのかな?とか思うことがあり、チュートリアルを開くのですが、まったく役に立つ情報を入手できた記憶がありません。
一つのミスや一つのアイテム取り逃しが死につながるので、もう少し詳細なチュートリアルがあると安心かと思いました。
その他
Returnalへの改善ではないですが、このグラフィック、サウンド、ゲームプレイで普通の一般受けしそうなハクスラ系シューティングアクションRPGを作ってほしいです。
仲間数人で不時着した星を探索して、エーリアンを倒して宇宙船作って帰還するのが目的、みたいな万人受けしそうなやつをこのクオリティでやりたいです。
おわりに
Returnalを冒頭3時間ほどプレイしてのレビューでした。とにかく難しく、1時間で心をへし折られたのですが、なぜかまたコントローラを手に取りReturnalしてしまう、そして気づいたら3時間たっているという不思議な魅力のあるゲームです。
ゲームの不思議な面白さに洗脳されはじめ、クソなのはゲームではなく自分だったのか!と思うようになってくるころには、もうこのゲームをやめられなくなるでしょう。
私と同じように最初に心を折られている方はとりあえずブレードを入手するまで頑張ってみてください。
ブレードは死んでも引き継げますし、戦いの幅が大きく広がり、難易度を下げてくれます。ブレード入手後はそれまで自分を苦しめてきたクリーチャーをばっさばっさと切れるようになるので、それだけで心が晴れます。
購入はダウンロード版ではなく、パッケージ版をお勧めします。なぜならすぐ売りたくなる可能性があるからです。
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