【低学年向け 中学受験 に向けた算数】素数と素数の活用について 【第11回】

教育

 今回のテーマは素数です。正直、一番説明が難しく、何の役に立つのか上手く説明できる自信がないので、筆が重いです。

 前回は倍数、約数、について学んだのですが、その倍数、約数の問題をより解きやすくするための考え方 というところからアプローチしていこうと思います。

 なるべくわかりやすく説明しますので、わからなくなったら是非ここに立ち返って思い出していただければと思います。

 この記事はうちの子が3年生で学習した算数を振り返り、解説を備忘録的にまとめておこうというシリーズ。教え方は学校の先生、塾の先生、親など教える人それぞれだと思いますので、参考程度にみていただければと思います。

 中学受験 は算数がキモといっても過言ではありません。論理的思考はどの教科を学ぶにおいても重要となる、鍛えておくべき力だと個人的には思っています。

 問題・解答はPCで作図するより手書きが一番早いので、手書きでまとめています。少々見辛い箇所もあるかと思いますが、ご了承ください。

 前回の記事はこちらから。




素数

素数とは?

 素数は1とその数自身しか約数(割り切れる数)がない数のことです。例えば、7は割り切れる数が1と7だけです。1とその数自身(7)しか約数がないので、7は素数になります。

 一方、6は約数が1,2,3,6となり、1と6以外にも約数が存在します。なので、6は素数ではありません。また、数字の1は約数は1だけなので、素数ではないことに注意してください。

素数の調べ方

 ある数が素数であるかどうかの調べ方ですが、手堅く順に割り算をして調べていくのが良いです。例えば43という数が素数かどうか調べてきます。

 前回、説明した約数の調べ方と同じように、ペアを考えて調べていきます。

 このように、7までは1と43以外に割り切れる数がないので、約数ペアは1つしか見つかりません。そして、この場合、7以降は調べる必要はありません。なぜなら、もし、8で割り切れるならこれより前にどこかのペアで出てきているはずだからです。

 8で割り切れた時、商は5,6位になり、その数はすでに調査済みで辺りのペアで出てくるはずです。9以降も同様に、割り切れるとしたらとっくにペアで出てきているはずですので、調べるのは不要です。約数を調べる時はペアで調べ、折り返しを意識して調べるようにすることで、無駄なくもれなく調べることができます。

素数の活用

素因数分解

 では素数は何の役に立つのでしょうか?割れる数が2つしかない、だからどうした?と思うでしょう。素数は約数、倍数、最大公約数、最小公倍数を調べるのに役に立ちます

 ある数を素数のみのかけ算で表現することを素因数分解といいます。言葉は難しいですが、調べ方は簡単で、約数を見つけていくやり方に似ています。例として105を素因数分解してみます。

  105=3×35
     =3×5×7(35=5×7)

 このように、2で割れるかな?3で割れるかな?5で割れるかな?と調べていき、徐々に式を素数のみに変換してきます。105を素因数分解すると3×5×7になることがわかりました。

 ただ、まだこの段階では「素因数分解して何が嬉しいのか?」、「何がいいことがあるのか?」わからないかもしれません。

最大公約数を調べるのに便利

 さて、105=3×5×7に素因数分解しましたが、105にはどういった約数があるかを考えます。3,5,7は約数になるのは素因数分解の結果を見れば明白です。では15は約数でしょうか?どうでしょう?

 105の素因数分解の中に3×5(=15)が含まれているので、105は15で割ることができるます。素因数分解により、約数かどうかの判断が一目わかるようになります。

 同様に21はどうでしょう?3×7(=21)が含まれているので、21も約数となります。このように素因数分解した結果から約数を調べることができました。

 次に素数活用の真骨頂、ある二つの数の最大公約数を素因数分解を使って求めてみます

例として、126と210の最大公約数を考えてみます。まずはこれらの数を素因数分解してみます。結果は以下のようになります。

126=×××
210=××5×

改めて、公約数とはこれら二つの数を両方とも割り切れるような数でした。210は5や10で割れることは、先ほどの説明からすぐにわかるかと思いますが、126は5や10で割れるでしょうか?

126は素因数分解に5が含まれていないので、5や10では割れない、すなわち、5や10は約数ではないことが素因数分解の結果から確認できます。

一方、126は3×3が含まれているので、9でわることができますが、210はどうでしょう?

210は3が一つしか含まれていないので、9で割ることができません。9で割るためには素因数分解の結果にもう一つ3が必要です。すなわち9は210の約数ではないことが素因数分解の結果からわかります。

最後に6や21はどうでしょう?126、210共に素因数分解の結果に2×3、3×7が含まれているので、6、21は公約数になることがわかります。

このように、126、210の公約数になるためには、126、210を素因数分解した結果において、お互い共通して持っている素数をかけてできる数である必要があります。

「2が一個」、「3が一個」、「7が一個」のいずれかを掛けてできる数(例えば6や14)は公約数になり、「5」や「3を二個」使ってできる数(例えば10や9)は公約数にならないのです。

これを踏まえて最大公約数を求めてみます。素因数分解の結果で共通している数を全部掛け合わせたものが公約数かつ最大になるので、

2×3×7=42 が126と210の最大公約数となることがわかります。

 余談ですが、「何で素数のかけ算で表す必要があるの?」というのがここまでの解説で少し分かっていただけたかと思います。

 例えば126=2××7と9を素因数分解し忘れた場合、3が含まれていることに気づくことができず、共通の数字は2と7で最大公約数が2×7=14であると間違って判断してしまうことになります。

 また、3を見逃すことで、126は6(2×3)で割れますか?という問題を間違って割れないと判断してしまうかもしれません。

 もうこれ以上ばらばら(割り算)できない、9も3×3まできっちり素数にまで分解しておくことで、その数がどういうかけ算で構成されているのかを丸裸にすることができます。これ以上分解できないというのがミソです

最小公倍数を見つけるのに便利

 素因数分解で数の構造を調べるという感覚が少しわかりはじめたでしょうか?続いて最小公約数を調べてみます。数は先ほど同じ126と210にします。

 あらためて、126と210の素因数分解の結果は以下でした。

126=×××
210=××5×

 さて、126の倍数は126を何倍かしたもの210の倍数は210を何倍かしたものです。公倍数はそれぞれ何倍かして同じ数になった126と210が共通で持つ倍数のことでした。

 言い換えると、126と210の公倍数は126でも割れて、210でも割れる数ということになります。

 ではその公倍数の素因数分解を考えた時、どんな数が入っているでしょうか?公倍数は126で割れるので2×3×3×7は絶対に含まれているでしょう。また、210で割り切れるので、2×3×5×7は絶対に含まれているでしょう。

 すると、とある公倍数はこんな感じになっているのかなぁ?と想像できます。

 126210のとある公倍数 = 2×3×3×7 × 2×3×5×7

 ただ、この公倍数は最小ではないですね。3は合計3個含まれていますが、2個で十分なはずです。126で割り切るためには3が2個あればよく、210で割り切るためには3が1個あればよいので、2個あれば事足ります。同様に、2や7も1個あれば共通で使えます。すなわち

126と210の最小公倍数 = 2×3×3×7 × 2×3×5×

 のように、重複してる数を消すと2×3×3×7×5=630が最小公倍数になることがわかります。この式には126=×××210=××5×も含まれています

手順のまとめ

 ここまでだらだらと解説を書きましたが、最大公約数、最小公倍数を素因数分解を使って求める手順をまとめておきます。

素因数分解を使った二つ以上の数の最大公約数の求め方
  1. 最大公約数を求めたい数を素因数分解する
  2. 含まれている素数で共通するものを調べる
  3. 共通する全ての素数を掛け合わせたものが最大公約数
素因数分解を使ったつ以上の数の最小公倍数の求め方
  1. 最小公倍数を求めたい数を素因数分解する
  2. 素因数分解の結果の全ての素数が含まれ、かつ重複しないように素数を書き出す
  3. 全てを掛け合わせた数が最小公倍数

 手順をまとめると短いですが、なぜそうなるか解説を読んで理解しておくことが大事です。

まとめ

 素数素人の私では非常に説明が難しいです。また理解にも前提の知識が結構必要で、例えば6=2×3になるから6は2で割れるね。という感覚が身に付いている必要があります。

 低学年の内は素因数分解させるようなパズルで感覚を養うといいかもしれません。中学への算数という書籍のパズルコーナーによくそういったパズルが掲載されていますので、挑戦されてみてはいかがでしょうか?

 前回の記事はこちらから。

  

 

 

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