先日Jeep コマンダーを試乗する機会がありました。3列SUV、7人乗り、サイズ感もそこまで大きくなく、人とは少し違った車を選んでみたいという思いで気になっている方も多いのかなぁと思います。
実際、私もそのような一人で、新車購入の候補として挙げていました。今回はコマンダーの試乗の感想をまとめようと思います。
Commanderの価格・スペック
CommanderのグレードはLimittedのみの1グレードでメーカーオプションとしてはサンルーフの有無くらいです。非常にわかりやすいですね。以下に簡単にスペックと価格をまとめておきます。
- 価格 597 万円
- 駆動方式 4WD
- 動力 2L 4気筒 ディーゼルターボ
- トランスミッション 9AT
- 乗車人数 7人
- ボディサイズ 4,770 mm×1,860 mm× 1,730 mm
こみこみで650万円ほどになりますかね。納期は色にもよりますが、最大6か月程度と言われました。
外観
第一印象は「かっこいい・・」です。
フロントグリルの独特な切れたデザインの7スロットグリルですが、実車を見るまでは中途半端で微妙かな?と思っていたのですが、実際に見てみるとなかなかかっこよかったです。白色のボディーカラーもパールのようなラメが少し入っていて、魅了される美しさでした!
個人的にあまり好きではないメッキパーツが控えめな点もいいですし、グリルからつながるライトのデザインから、Jeepらしい迫力のある力強い顔の印象を受けました。美しさと無骨さを両立させるようなかっこよさです。
サイドも黒白のツートンが美しく、フェンダーの無塗装樹脂の部分も非常にマッチしていると感じました。基本、無塗装樹脂のフェンダーは嫌いなのですが、四角いフェンダーにすることでJeepのキャラクタにも合っているなと感じました。
リアもシンプルでかっこいい。外観に関しては非常に所有欲を掻き立てる車になっていると感じました。かっこいい。
内装
内装は写真がないのが申し訳ないのですが、個人的がっかりポイントが多かったです。外車に対してコスパということを求めてはダメなのはわかっているのですが、やはり淋しい感じがしました。
装備がさみしい
600万の車ということを考えた上での感想ですが、装備が少し寂しいように感じました。ヘッドアップディスプレイ、シートベンチレーション、トリプルゾーンエアコン、後席シートヒーターといった装備がなく、国産の同価格帯の車と比べると少しさみしいなぁと感じました。
また、サンルーフもオプション設定で、フリップダウンモニタのオプションがないのであれば、標準んでつけてくれてもいいのになぁと。
内装質感がさみしい
こちらも600万の車という前提ですが、内装の質感がいまいちな個所が散見されました。ソフトパッドがあしらわれている箇所は多いのですが、こっそりとソフトパッドに似せた質感のハードプラの箇所が点在していたり、ボタン類とその周りの加飾がなく、プラスチッキーでさみしかったりどこか安っぽさを感じる箇所もありました。
Jeepってのは無骨なSUVだしそんなもんだよ、とか、その価格なら相応だろ、という意見をいただくかもしれませんが、どうしても昨今の国産車のスペックと比較してしまいますね。。
不便な点が多い
ファミリーカー、キャンプ、7人乗り!という割には不便な点が多かったです。まず、二列目はシートレールがなく、前後にスライドしませんし、リクライニングもそこそこです。これの何が不便かというと、3列目を使用しない場合に2列目をゆったり使えない、3列を倒して荷物を載せる時、トランクサイズの融通が利かないという2点です。トランク自体もたいして広くないので、なおさらです。
あとは内装ではないですが、リモートエンジンスタート・ストップ、予約ロックといった便利機能がない(カタログなど探したのですが、記載がなかった。)点も、せっかく新しい車を買うのであればほしいなぁと思う機能です。
走り
音
まずエンジンをかけて最初の感想は「うるせぇ」でした。
Jeep初のディーゼルターボですが、とにかくうるさいです。一昔前のディーゼルSUVはこういうガラガラ音立ててたなぁと懐かしくなるレベルで騒がしいです。この音自体、嫌いではないのですし、Jeepのキャラクタに合っていると個人的には思うのですが、独身の頃ならまだしも、家族で乗ることを考慮すると少し厳しいと感じました。
また、Jeepでは初めて採用となるディーゼルエンジンということで、「ほんとはもっと静寂性を求めていたが、そこまでの仕上がりにならなかったので妥協した、その結果この音になった」というのではないかとも勘ぐってしまいます。
もちろん、そんなことはないと思いますが、もし、そうであれば、音だけでなく、その他機能的な面の完成度も少し心配になるので、それら含めてちょっと怖いなぁという感想を持ちました。特にディーゼルのすす問題は時限的に数年後に問題となるケースもおおいですので。
パワー不足
インフルエンサーの試乗レビューを色々見て「ぐいぐい加速する」とか「低速トルクがいい」とか「エンジンがパワフル、さすがディーゼル」とかほめちぎるコメント見て、期待して試乗したのですが、がっかりでした。
しっかり踏んでもリニアに加速する感じはあまり感じられませんでした。踏んだ時、ディーゼルのガラガラ音はいっそう大きくなるので、それも影響しているせいなのかもしれませんが、音に比例した加速感が得られず、ストレスを感じる走りでした。
また、少し坂で上っているところでべた踏みもしてみたのですが、トルクが出始める2000回転くらいまでは非常にもたつき、さらに、そこからも坂をぐいぐい行くような期待する加速は感じることができませんでした。
もう少し乗れば運転の仕方でカバーもできるのかもしれませんが、少なくとも乗ってすぐではその辺のインフルエンサーのようなべた褒めコメントは出てきませんでした。
その他
不満ばかりで残念ですが、運転中に左足に何かあたる感触がありました。
赤枠の箇所、センタートンネルの運転席側が少し出っ張っているのがわかるでしょうか。助手席側にはない何かカバーしてあるような出っ張りがありました。微妙にフットレストに足を置いた際に気になりました。
また、電子パーキングブレーキスイッチ自体が運転席から少し離れているなど、左ハンドル優先の仕様からくるちょっとした不便さや違和感も気になりました。。
まとめ
Jeepは憧れがあり、実際に実車を見て、エクステリアについては本当にかっこいいと感じました。ただ、昨今の同価格帯の国産車が良くできているのか、Jeepのコマンダーの位置づけと価格的にこういうものなのかはわかりませんが、内装、機能、乗り味は満足いくものではありませんでした。
また、用途がファミリーレジャーという視点があるとどうしても便利なギミックが欲しくなるので、そういった点でも我が家には厳しいかなと。
もちろん、外観は唯一無二なところもあるので、外観がどうしてもこれという人にとっては買う価値があるほどにかっこいい車であるとも思います。
そして、今回の試乗を通して、Jeepの他の車も見てみたくなりました。(ちなみに展示してあったコンパスは内外装がガッカリすぎでしたが・・・)
コマンダーが日本で売れて、今後も商品改良され続けるのか、消えていくモデルになるのかも注視し、ネガが消えればまた検討したいと思います。
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