教育Tipsでは普段子供と触れ合っていて効果があった施策や教育のコツをTipsとしてご紹介しています。今回はテストの見直しについてです。
普段、子供が学校で受けてくる小テストや習い事のテストで、間違っている問題があった際に「本当はできるのに、もったいない!見直しちゃんとしたの?」と叱ることはないでしょうか?見直しをきちんとするためのコツについてご紹介します。
あと、子供が3年生で学んだ算数をテーマ毎に振り返り、備忘録として記事にまとめています。こつこつ更新していますのでもし興味があればご覧ください!
何度も見直ししなさいと叱ってしまう・・
いつもの実力を発揮していれば、容易に解ける問題が、ちょっとした思い違いや、焦り、舐めプ、その他理由で解答して間違ってしまったのを見ると、自分の悔しい思いを子供にぶつけるかのように「見直しちゃんとしなさい!」と思わず叱ってしまうということがないでしょうか?
そして、叱った時、子供はたいていこう言っていませんか?
「ちゃんと見直ししたよ!」
どこの家庭でも良く見られる光景だと思います。うちもよくこういったやり取りをしていましたが、ある日、本人はちゃんと見直したと言っているのに、なぜ同じ間違いをしてしまうのだろう?と疑問に思うようになりました。
そこを解明しないと、改善することはないなと思い分析してみました。
そもそも、見直しって大人でも難しい
そもそも、見直しという行為は大人でも難しいものです。
例えば、プログラマーは自身が作成したプログラムを自分で見直し、それをチームのメンバーで見直し、点検し、さらにテストをすることで、問題がない(正解の動きをする)プログラムであることを担保します。
これらの作業に企業は莫大なコストを掛けます。また、作業のみならず、プログラムの作り方やテストのやり方を決めることにもお金をかけます。
それでもバグ、問題は出ます。「バグのないプログラムはない」といわれるほどです。優秀な大人が何十人、何百人と集まって見直しをしても間違いは防げないのです。
子供の勉強とは難易度が違うだろといわれるかもしれませんが、子供が受けているテストは子供にとって知って間もない知識を問われている、子供は一人で解いて一人で見直ししている、といった点から、子供にとっては非常に難しいものだと認識してあげなければいけません。
こういった点を踏まえると、大人が多くの人数とお金をかけてやっている「見直し」という作業を子供には一言「見直ししなさい!」のみのアドバイスだけでやらせるとうのは少々酷には感じないでしょうか?
観点を与える
そこで、大人がやっている見直しのテクニックを子供にもわかるようにかみ砕いて利用できないか考えてみました。私は「見直しの観点を与える」ということをやってみました。
例えば、漢字テストであれば、「払いと跳ねがあっているかをもう一度見なさい」だとか、「送り仮名を一文字増やす、減らすをしてあっているか確認しなしさい」というように、具体的に何をどう見直すのか、その観点とやり方をアドバイスしました。
漠然と見直ししなさいというのは簡単ですが、テストを受けた本人は、自分が全部できたと思い込んでいるので、それが全て間違っているという疑いを持って、見直すのはまず無理です。
大人でも自分のやり遂げたものが完璧だと思っている時はそのやり遂げたことに満足してしまい、それが間違っていると疑ったとしてもかなり甘めの判断になってしまうと思います。
特にそれが仕事だと、終わったら見直しもそこそこにすぐ帰宅したくなるでしょう。
なので、あらかじめ観点を決めておいて、その観点に基づいて解答をチェックする。ある意味機械的にルールに沿って見直しすることで、実際、テストのポカミスは減っていきました。
いきなり見直しの観点を与えすぎない
なれるまでは国語、算数それぞれで1つだけ、見直しの観点を教えるようにします。いくつもあると、全てやろうとし、雑になり、結果、成果が上がらないからです。
例えば、国語の漢字テストであれば送り仮名チェックだけ、算数の足し算のテストであればひっ算の繰り上がりの足し忘れだけ、のように一つに絞ってそこだけは間違えないようにする。慣れてそれが自然とできるようになれば、その他の観点を増やしていきます。
また、よく間違える苦手な問題の間違え方を観点として見直してもいいかもしれません。
普段わかっている、できていることを少しでも多く正解できるような観点を決定して、それをひとつづつ増やしていくというプロセスを踏めば、確実にポカミスは減っていきます。
おわりに
小学生低学年のうちに鍛えるべきは算数の公式や多くの漢字ではなく、論理的に物事を考えることができる思考力だと私は思っています。そして、それと同様に自分の導き出した答えが正しいかどうか判断できる見直しスキルも同様に重要だと思っています。
そのスキルは算数のみでなく、国語、社会、理科で役立つ考えることに必要な基礎で、これらが身に付いていなければ、高学年での勉強に苦労することになるかもしれません。
最初のうちは、見直しすることで間違いを全問正解に修正できる必要はありません。「これだけはちゃんと見直そう」というルール(観点)を決めて、それができたら次、というように一歩一歩間違えやすい内容から見直しできるように訓練していくことが大切です。
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